熊本県菊池市の「日本一の給食」への挑戦。 渡辺義文

アグリ(農)

熊本県菊池市の「日本一の給食」への挑戦。 渡辺義文


文=宙野さかな/写真=宇宙大使☆スター


熊本県菊池市は、有機や無農薬の農業が盛んな場所として知られている。およそ20年前に菊池環境保全型農業技術会が結成された。無農薬や有機で農業をしていくための研究会だ。現在会員(生産者)は40名近く。半数近くが自然農を営み、なかには、40年も前から無農薬で農業を続けている生産者もいるという。

その菊池市にあるネットショップ「自然派きくち村」の代表が渡辺義文さん。「渡辺商店」という酒屋を営んでいたが、「次の世代に繋がるものを売りたい」と決意し、無農薬のお米を育て、その無農薬のお米を使ったお酒をつくり、販売をはじめた。そして「自然派きくち村」が誕生した。

2013年に行なわれた菊池市の市長選挙で、「市民目線で故郷の再生」を掲げた江頭実氏が当選した。江頭市長は「日本一の給食の町」を宣言し、地産地消の農産物を中心に使う給食へ一歩を踏み出そうとしている。
 
『菊池基準』を満たした地域の食材を、安心・安全の給食食材として活用できるように検討する、と市長は話しています。そして食育を推進していく、とも。無農薬や有機の野菜を学校の給食に使うことで、人口も増えていくと思うんです。日本一の給食をつくっている菊池市の、給食に使っている野菜。それをひとつのブランドとしてアピールする。そうすることによって、この地域の農業の底上げにも繋がるだろうし、環境そのものも良くなっていくと思います。みんなが潤う社会をつくり上げなくちゃいけないと思っています。そのためには、みんなの意識が変わることが重要です。売り方はもちろん、何を買うのかっていうことも重要になってきます。多くの人の意識が変われば、農業をしたいという若者も、今より増えてくるはずですから」と渡辺さん。

江頭市長は、2013年の所信表明で「独自の安全基準である『菊池基準』を制定する」と表明した。安心・安全の食とはどういうものなのか。菊池市の「日本一の給食」の挑戦に注目したい。



菊池市の渡辺商店。そもそも酒屋だったが、「安心・安全でおいしいものを提供したい」という思いで無農薬の米づくりに挑戦したことをきっかけに、無農薬・無肥料栽培・自然栽培のお米や野菜を販売する<自然派きくち村>を立ち上げた。現在では菊池市の生産者と連携をはかりながら、ネットショップとして定着。九州のみならず全国へ販売を広げ、無農薬や自然栽培の農業の底上げに貢献している。

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