自然栽培の野菜と天然菌の発酵食品。自然とハーモニーを奏でる食品を提供。河名秀郎 ナチュラル・ハーモニー

オーガニック&エコロジー

自然栽培の野菜と天然菌の発酵食品。自然とハーモニーを奏でる食品を提供。河名秀郎 ナチュラル・ハーモニー

自然栽培の野菜を提唱し、生産者には自家採種をすすめてきた。発酵食品の「菌」にも着目し、天然菌による発酵食品の開発に努めてきている。自然のハーモニーのなかにある菌、そして菌によって生み出される発酵。日本の食文化を復活させる挑戦でもある。

文・宙野さかな/写真・依田恭司郎

肥料も農薬も使わない自然栽培の野菜の普及を呼びかけている <ナチュラル・ハーモニー> 。野菜だけではなく、昔ながらの伝統的な手法によって造られた味噌や醤油、酢などの発酵醸造食品にも力を入れている。

「10年ほど前になるんですが、書籍『買ってはいけない』の三好基晴ドクターから連絡をいただいたんです。野菜にはじまって、次に出てきた話が発酵食品のことでした。『おたくで扱っている商品の菌は天然ですか?』と。天然醸造の製品を仕入れていましたから、それで大丈夫だと思っていて、当時は菌のことまで注意が向かっていなかったんですね。三好ドクターとの話の後、醸造メーカーに確認したところ、『菌は他から買っている』ということだったんです」と代表の河名秀郎さん。



野菜では礎となる土や種にこだわってきた河名さん。けれど発酵食品に関しては、土にあたる『蔵』には執着していたものの、種にあたる『菌』については「そこまでひどいものはないだろう」と、高を括っていたという。

「農業の世界では種の必要性を説いてきました。農家の方々にも、自家採種するようにずっと言ってきました。農家が種を買うように、蔵では菌を買うことが当たり前になっていたんですよね。メーカーによって菌も操作されている。そもそも、植物に菌はまとわり付いている。だけど農薬を使うと菌は生きていけない。自然界に本来いる菌。先人たちは、菌を含めた自然の営みを利用しながら、発酵という形で食品を造り上げてきた。発酵食品は、大自然との本当のコラボレーションだったんですよ」



市場にないのなら、自分で造らなければならない。そう考えた河名さんは、「日本の食文化を復活」させることを目的に、三好ドクターと菌匠会を立ち上げた。そして、賛同し、一緒に天然菌で発酵食品を造ってくれる蔵元を探しはじめた。そうやって誕生したのが、『蔵の郷』や『蔵の雫』といった <ナチュラル・ハーモニー> のオリジナル食品。これらは自然栽培された原料と天然菌による日本の伝統を守る発酵食品だ。

「発酵から学ぶべきものって何か。発酵食品のなかには、酵素もあるし、ビタミンもあるし、ホルモンもある。糖分も有機酸もある。さまざまな生理活性物質を造っている。けれど不純なものが入ると発酵されずに腐っていくんですよ。農薬や肥料といった異物も、土のバランスを崩していく。バランスを崩した土で生産されるものが元気なわけがありません。土を人の身体に例えても同じことが言えますね。人間も大自然のひとつ。大自然から生まれた素材を口に入れて、命の移譲を受ける。エネルギーの循環ですね。命のリレーションの結晶であり、先人たちの経験が詰まっているのが発酵食品なんです。ですから、菌も種も、そして人間も自然界の法則から分離しちゃいけない。人間の思惑で乖離させちゃいけないんです」

自然と調和した食品を提供するために名付けられた <ナチュラル・ハーモニー> という社名。大自然がもたらしてくれるものを、私たち人間は謙虚にいただく。そんな長い時間をかけて培ってきた自然とのハーモニーが、菌匠の発酵食品のなかに存在している。




ナチュラル・ハーモニー www.naturalharmony.co.jp
1985年に野菜の引き売りからはじまった <ナチュラル・ハーモニー> 。88年に東京都下馬に初のお店をオープン。現在は、自然栽培の野菜やお米だけではなく衣類なども扱う直営店の他、「本物の食」を伝えるレストランも運営している。野菜やお米の宅配も行なっている。

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