音と食の健やかな関係 京都 natural food village 逹

オーガニック&エコロジー

音と食の健やかな関係 京都 natural food village 逹

写真・林 大輔

京都市左京区。京都大学をはじめ数多くの大学が点在し、大文字山など自然も近いことから、京都市内のなかでも「自由」で「オーガニック」な雰囲気を漂わせている地域。演劇やアート、音楽といった文化も豊かだと言われている。そんな左京区で自然食をコンセプトに、<village>が誕生したのは2001年のことだは、オーガニックの意識があまり拡がっていなくて、有機や自然農の野菜を探すことも大変やったんです」とオーナーの逹さん。


逹 さんは、バックパッカーとして4年ほど世界を旅していた。旅のなかで「日本でもなにかしないとあかん」と感じ、帰国して<village>をオープンさせたという。

「自然食に行き着いたのは、2000年に鹿島槍で開催された<いのちの祭り>の体験が大きかったんです。それまではレイブパーティーへも、よく遊びに行っていました。旅をする前に飲食店で働いていたんですけど、肉を大量に切るときの感覚が、とてつもなく嫌になってしまって。そもそも野菜のほうが好きやったから、野菜の自然食をコンセプトにしたんです。そして、商業的じゃなくて、もっとライフスタイルを伝えられるようなお店にしたかった。ライブも入れたりね。食と音って、僕らにとって大切なものじゃないですか。食は身体を作るものだし、音を心を健やかにしてくれるもの。だから、この2本を推していきたいな、と」


<village>では、肉、魚、卵、チーズは一切使っていない。10年以上続けることによって、若い農家との付き合いも深くなっているという。現在では、<village>で使う野菜のほとんどが、知り合いの農家が手塩にかけて育てたものだ。福島原発事故以降、放射能の数値にも気を使っている。

逹 さんは、<山水人>や<水と木の祭>など、京都発信の祭りにも深く関わってきた。いずれも自然の尊さを、その場にいることで体感させてくれる祭りだ。2014年10月に開催された<左京ワンダーランド>という左京区の店と店を繋ぐスタンプラリーやマルシェも中心となってオーガナイズしている。「誰かがトップというピラミッド的な関係じゃなくて、球体のような関係を築いていきたいんですね。上でも下でも横でも自由自在。みんなが繋がっているのが理想だと思うんです。人と人、人と自然が繋がっている。健康的に遊べるってことに気づいたのが、めちゃ大きかったんですよ。野菜の料理って、どんな人種の人も、どんな宗教の人も食べられる。なんか夢が拡がるじゃないですか。自分が生きている地域で、どんだけみんなと関わっていけるのか。自分たちの意識がどんだけ変わっていけるか。それがこれからのポイントやと思っていて。それをやりたくて、この店も、いろんな祭りも関わっているんです。ぶっちゃけて言うと、ただ楽しみたいだけなんですよ」と屈託のない笑顔をたたえながら答えてくれた。

逹 さん、そして<village>というひとつの村から発信される未来への繋がり。食と音を遊ぶ心に、その繋がりは宿っている。


village 逹

1972年生まれ。4年間に及ぶバックパッカーの旅を経て、2001年に有機野菜や安全な調味料を使ったベジレストラン<natural food Village>を左京区にオープン。<山水人>や<水と木の祭>などの祭り(フェス)の立ち上げにも関わっている。東日本大震災から昨年までは、年間150本近くのライブを<Village>で行い、人と人を繋げる場所となった。

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