秋に群馬県水上高原で開催されている〈NEW ACOUSTIC CAMP〉。木々に囲まれた場所で「わらう、うたう、たべる、ねっころがる」ことができるキャンプイン・フェスとして、毎年人気を上げているフェスだ。〈ACO CHILL〉は〈NAC〉の「チル」な部分をフィーチャーして初開催された。
「チル」とは「チルアウト」であり「チルドレン」。フェスが日本に定着したのはこの10年ほどなのだろう。フェスに通っていた20代のボーイズ&ガールズも、結婚し、子どもが生まれファミリーとなっている。そんなフェスファミリーにとって、子どもと一緒にフェスを楽しみたいという考えがわき上がってくるのは必然なことだ。子どもと行けるフェス、子どもと遊べるフェス。それが〈ACO CHILL〉だ。

会場となったのは御殿場の「樹空の森」。富士山のすそ野にある緑豊かな公園だ。この公園の「ふれあい広場」にステージを設け、出店が並んだ。子どもが思いっきり遊べるように「アコチルコート」も設置された。
〈NAC〉でホストを務めるOVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUNDや奇妙礼太郎といったフェスでお馴染みのバンドから、谷本賢一郎や伊勢大貴などテレビで子どもたちに人気のミュージシャンまで、他のフェスとはまったく違ったラインナップだった。ワークショップも充実している。数々のフェスに出演するGOMAはライブではなくディジュリドゥ作りのワークショップで参加。OAUのメンバーであるKAKUEIのパチカなども、多くの子どもたちで賑わっていた。

ライブだけではなく、フェスという空間のなかで、どう一日を過ごしていくのか。子どもと一緒に楽しむフェスとはどういうものなのか。そのひとつの答えを見せてくれたのが 〈ACO CHILL〉だったように思う。
フェスは千差万別。それぞれ個性があってしかるべきだ。ファミリーで遊ぶフェス。その誕生はフェスが長く続く大きな要因になるのだろう。

LJ039