心配された台風19号の影響も無く、昼間は半袖でも過ごせる心地のよい陽気。毎年規模を拡大し、初の2日間開催となった<トヨタロックフェスティバル>は、2014年も自由で雑多な賑わいに溢れていた。

53組のアーティストが出演し、入場は無料の<トヨロック>。3万人近い来場規模ながら、会場設営から当日の運営、清掃まで、裏方業務のほとんどを、地元の仲間たちが本業の合間でおこなっている。

そんな彼らが考え、育てたフェスはとにかく盛りだくさん。Dachamboなどフェス常連バンドの出演するメインステージをはじめ、オーガニックな雰囲気のワンラブステージやクラブミュージックのイーストランド。じつにバラエティに富んだステージ構成になっている。

ライブに興じる若者の横で、近所のお年寄りは芝生で酒を楽しみ、子どもたちはバイクが宙を舞うFMXショーに夢中。夜のキャンプサイトにはゲイバーやメイドカフェも現れた。

最終夜、地元の英雄TURTLE ISLANDのライブでは、ヒッピーもギャルもパンクスも、皆が一緒に笑顔で踊る姿が見られた。日本各地の夏祭りのように、地元の仲間たちがフェスを作り、育て、引き継ぐ。そんな未来を予感するフェスだった。

※PCブラウザ、iOS(iPhone、iPad)のみ対応。
Lj 37号(2014.12.25)