東日本大震災の被災地、福島県南相馬市で開催されるロックフェス。騎馬武者ロックフェス実行委員会に開催直前インタビュー。

フェス(祭り)

東日本大震災の被災地、福島県南相馬市で開催されるロックフェス。騎馬武者ロックフェス実行委員会に開催直前インタビュー。

 東日本大震災、そして福島原発の被害が大きかった福島県南相馬市。この町で、2014年に誕生したのが<騎馬武者ロックフェス>。自分たちのふるさとで何ができるのか。何を残していけばいいのか。音楽の力を信じて生まれた未来への希望を灯すフェスだ。


–––– どんなフェスにしたいと考え立ち上げたのでしょうか?

いろんな理由で 地元を離れた人が、年に一度でも里帰りする、また、帰省する人だけでなくいろんな人が南相馬を訪れる新しいきっかけになればと考えました。その人たちを「おかえり!」と温かく迎えて、楽しいお祭りの一日を過ごすフェスになったらいいと思っています。

–––– 東日本大震災から4年半。現在の南相馬は、どういう状況ですか。

南相馬市の震災前の人口は約7万人。一時期は多くの人が避難して3万人以下になっていました。現在は5万人ほどが、避難指示区域を除いた全体の三分の二の地域に生活しています。

インフラはほぼ通常通りで、スーパー等も開いており、生活用品の買い物にもあまり困りません。(ただし閉店時間が早いです。スーパーはたいてい8時まで)。高齢者が多く、働き手に不足する事業所が多数あります。住宅のリフォームや新築を希望する人が多いのですが、職人さんが少ないため、1年待ち2年待ちというケースも珍しくありません。

–––– 会場の雲雀ヶ原祭場地とはどういう場所なのでしょうか。

相馬地方に千年前から続く伝統の祭り、『相馬野馬追』の会場となるところ。南相馬市にある、相馬家の3つの神社の飛び地境内、つまり、神社の敷地で開催するロックフェスです。

とにかく広くて気持ちが良く、当日、天気が良ければ夜には満天の星が見られます! 普段は、近所の人が散歩をしたり、グラウンドゴルフをしたり、相馬野馬追に出場する人が乗馬の練習をしたり。桜の老木が立ち並んでいるので、お花見の名所になっていたりなど、地域の人々に親しまれている場所です。


–––– 実行委員長から見る今年の特長は?

去年と一番違うところは、有料になったところです。その分、ステージが増え、出演者も増えています。メインステージのサイズも大きくなりました。でも、できるだけ幅広い年齢層の人に来てもらえるように、中学生以下と60歳以上の人は無料としました。そして今年はちびっこ広場が充実。エア遊具が増えて、ポニー試乗もできます。さらに出店の中に「騎馬武者物産館」を作り、福島のお土産を販売します。

–––– 初開催の去年も、キャンプサイトを設けていたのですか。

設けていました。が、有料(2000円)でした。今年はチケットが有料となったこともあり、地域の宿泊事情の悪さも考慮して、キャンプは無料としました。

–––– 全国から集まった基金による「みんなの花火」も同時開催されます。この花火に込められている思いとは?

南相馬では震災以降の2年ほど、大きな花火大会の開催が見送られていました。そんな南相馬でロックフェスを開催しよう!と決まったとき、太陽族の花男氏が言った言葉「フェスの時にでっかい花火を打ち上げて、福島の未来を照らしたい!」これが花火に込められた思いです。

昨年、終演後に打ち上げられた花火は、本当に美しいものでした。子供たちは笑顔で、大人の中には涙を浮かべて見ている人もいました。

「未来を照らしたい。ただそれだけなんだ」

そう言った花男氏の思いは、あの花火を見たみんなに伝わったと思います。


–––– はじめて参加する人のために、<騎馬武者ロックフェス>の楽しみ方を教えてください。

会場に、相馬野馬追の旗がはためきます。そして、オープニングセレモニーに野馬追に出場する法螺貝が登場します。荘厳なのにのんびりしている様子が楽しいと思います。

南相馬に初めて来た人でも、まるで田舎に帰ってきたかのような懐かしい雰囲気が味わえる。

音楽を聴きたい人、美味しいものを食べたい人。

耳(音楽)だけじゃなくて、舌(飲食店)も楽しいお祭り。

キャンプサイトも無料だし、一日だけの自分の家を建てて楽しめる。

参加者がみんなフレンドリーなので、知らない人同士でも友達になれる場所が騎馬武者ロックフェスです!

–––– 今年で2回目の開催になります。多くの見どころがあると思いますが、「今年はこれを感じてほしい」こととは?

去年とは出演者が半分以上変わっているのでまた違う雰囲気になると思います。出てくれる人は皆、東北を、福島を応援してくれている人ばかりなので、その熱い思いを感じて欲しいです。でも、最終的には来てくれた人たちがそれぞれに楽しんでくれたらそれが一番です!

––––  今後、どんな南相馬を築いていきたいですか。

南相馬には多くの問題がありますが、多くの可能性に満ちているとも言えるのではないかと思います。正直言うと、震災がなければ<騎馬武者ロックフェス>が初回からあの規模で開催されたかどうかはわかりません。さらに誤解を恐れずに言うならば、震災があったからこその出会いが少なからずあり、それは人生の大きな財産となっています。南相馬には、そんな出会いがたくさんあります。

アイデアと技術を出し合って、足りないところを支え合って、ささやかでも元気に過ごしていけるまちになるといいなと思います。

南相馬といえば「震災で大変だったところですね」と言われることが多いのですが、「南相馬といえばロックフェスがあるまちだよね!」と前向きなイメージを持ってもらえるように、これからも続けて行きたいと考えています!


騎馬武者ロックフェス

開催日:9月19日(土)

会場:雲雀ケ原祭場地(福島県南相馬市)

出演:太陽族、渡辺俊美、泉谷しげる、the LOW-ATUS、SUGIZO、JOHNSONS MOTORCAR、SCOOBIE DO、the band apart、竹原ピストル、TEX & SUN FLOWER SEED、太陽ドラム、他


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