こどもみらいフェスティバル 2014.6.21-22@横浜センター北駅前芝生広場

フェス(祭り)

こどもみらいフェスティバル 2014.6.21-22@横浜センター北駅前芝生広場

文・甲藤麻美/写真・依田恭司郎

6月21日〜22日の2日間、神奈川県横浜市都筑区にある港北ニュータウンで、「子どもが主役の子育て」「もっと自由に外遊び」をコンセプトにしたイベント〈こどもみらいフェスティバル〉が初開催された。

センター北駅の改札を出ると、目の前に竹の遊具などで遊べる出張プレイパークのほか、子どもが参加できる竹箸づくり、お絵描きTシャツづくりなどの多彩なワークショップが展開されていた。会場に行った2日目は雨が降っているというのに、子どもたちは元気に走り回っている。都会で久しく目にしていなかった光景がそこには広がっていた。



イベントの一環として、プレミアヨコハマのホールでは、柴田愛子先生の講演会が開催された。柴田先生は、都筑区内にある未認可保育施設<りんごの木 子どもクラブ>の代表で、保育歴は40年のベテラン。絵本作家としても日本絵本大賞の受賞経験を持つ方だ。実際に目にした柴田先生は、温かさと優しさを全身にまとった、とびきり元気な女性だった。

「雑誌、インターネットで出てくる子育て中の家の写真、美しいじゃない? あれは、こうしなくちゃいけないという教科書ではなくて、こうだといいわねっていう夢なんです」

そんな風に、満員となった会場の笑いを誘う柴田先生。今でこそ影響力のある保育者といわれるようになった柴田先生も、20代から30代初めまでは、思考錯誤もあったようだ。

「子どもがこんなに思うようにいかないなんて、知らなかったのよ。勉強すればするほど、訳がわからなくなっていったの」

今まさに子育て奮闘中のお母さん、お父さんが抱えている悩みを汲みとるように話す柴田先生。悩んだ末たどり着いた答えは、「どうやら子育てに正しい方法はないらしい」ということだった。

「雑誌やインターネットの情報は、あなたとあなたのお子さんを見て流してくれているものではないですよね。子どもは十人十色。私の場合は、子どもが今感じているであろう気持ちを言葉にすることを習慣にしてみたんです」

実践したのは、子どもが泣いていればその泣き方で判断して「怒ってるんだよね」とか、転んだら「痛いね」と声をかけるというもの。泣いているときに理由を尋ねたところで、子どもは答えられないのだという。

「子どもは解決してほしいのではなくて、自分の気持ちをわかってほしいんですね。その気持ちに寄り添うことができさえすれば、子どもは自分の力で元気になる。自分で育っていける能力を持っているんです。大人の役目は、子どもの心を健康に保ってあげること。つまり、何かあったときに心に寄り添ってくれる場所であることなんです」



想像しているよりも、子どもはずっと強い人間であり、自分の力で育つ力を持っている。「子育て」よりも「子育ち」を見守ることこそ、親の役目なのだ。

このほかにも柴田先生が見てきた子どもの驚きの行動や、自らの経験がぎっしり詰まった講演。振り返ってみれば、抑揚のある語り口も相まって、ほとんど漫談でも見ているような、あっという間の2時間だった。心を軽くする言葉の数々や、特定の子育て方法を否定することのないお話に、参加者は多かれ少なかれ救いを得たに違いない。

柴田先生は、「何かあったときに心に寄り添ってくれる場所が必要なのは、幼児だけでなく、小学生も、中高生も、そしてあなたたち(大人)も同じ」だと言った。親にとっても、どこかで肩の力を抜けるような場所や人、時間がもっと必要なのだろう。今回の〈こどもみらいフェスティバル〉は、そうした意味でも果たす役割は大きかったように思う。子どもも親も、ひとりにさせないような社会、心が健康に保てることのできる社会をつくるためにも、子どもが主役となって遊べ、親が集えるような場所が、これからどんどん増えていくことを願う。



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